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利益が20万円出たEAを見つけた。これなら続けられそう、と感じたときにもう一つ知りたいのが、その利益に到達するまで、資金がどこまで減っていたかです。最後の利益が同じでも、途中の含み損を含めると印象が変わります。
この記事では、残高と有効証拠金の違いを一つの架空例で読み、MT5の保存済みテストレポートから比較する数字を選べるようにします。
青い線だけなら、途中の30万円を見落とす
冒頭の図は説明用の4時点を線で結んだものです。入出金、クレジット、別の保有取引はなく、費用の詳細は省いた単純化例とします。残高は決済済みの結果、有効証拠金は保有中の含み損益も含めた状態として読みます。
| 時点 | 残高 | 有効証拠金 |
|---|---|---|
| 開始 | 100 | 100 |
| 一度利益を確定 | 110 | 110 |
| 次の取引を保有中 | 110 | 80 |
| 最終決済後 | 120 | 120 |
この4時点の残高だけを見ると、右肩上がりです。しかし保有中は、有効証拠金が110万円から80万円へ下がっています。高値からの減少額は30万円、その高値に対する割合は30÷110×100=約27.3%。開始資金100万円からの減少20万円とは、起点が違います。
途中の30万円の落ち込みにも耐えられるか、手元資金と口座の証拠金条件を照らして考えましょう。
レポートでは、名前までそろえて転記する
MetaQuotesの公式ヘルプでは、テストレポートのドローダウンをBalance(残高)とEquity(有効証拠金)に分け、さらにAbsolute・Maximal・Relativeを区別しています。次の表はその読み分けです。
| 表示名 | 比較するもの |
|---|---|
| Absolute | 初期資金から、それを下回った最小値までの減少 |
| Maximal | 先にあった局所的な高値から、その後の安値への最大の減少額 |
| Relative | 先にあった局所的な高値に対する、その後の減少率の最大値 |
金額で最大になる区間と、割合で最大になる区間は一致するとは限りません。Maximalの金額とRelativeの割合を組み合わせて、一つの下落区間の数値として説明しないようにします。
30万円と40%が、別の下落を表す例
入出金がなく、有効証拠金が50→30→100→70万円の順に動いた説明用の架空例を考えます。各点の間は一方向に動き、ほかの高値・安値はないものとします。
| 下落区間 | 減少額 | 高値に対する減少率 |
|---|---|---|
| 50→30万円 | 20万円 | 20÷50=40% |
| 100→70万円 | 30万円 | 30÷100=30% |
最大の減少額は後半の30万円(その区間では30%)、最大の減少率は前半の40%(その区間では20万円)です。「30万円・40%の下落」と一組にすると、実際にはない区間を説明してしまいます。
転記例は「Equity Maximal:30万円/対応する率30%」「Equity Relative:40%/対応する額20万円」。保存レポートでも、括弧内の値を元の項目と一緒に残すと、どの組み合わせかを後から追えます。
費用がゼロなら、計算モードも確認する
比較メモを作る前に、保存したテスト設定で「Profit calculation in pips」を使った結果か確かめます。MetaQuotesの公式説明では、この簡易計算は口座通貨への換算に加え、スワップ・手数料の計算と証拠金管理を省略します。設定名の日本語表記は環境によって異なるため、英語名も控えておきます。
| 保存設定で確認した状態 | その結果から言えること |
|---|---|
| pips計算を使用 | 手数料・スワップが省略された概算。実際の費用が無料という証明にはならず、口座通貨での利益・DDともそのまま比較しない。 |
| pips計算を使用していない | それだけで費用が正しいとは確定しない。銘柄・口座・テスターの手数料等の条件と、レポートの単位を確認する。 |
| 計算モードの記録がない | 「未確認」と残す。利益やDDの優劣を決める前に、元の設定とレポートの対応を確認する。 |
たとえばAはpips計算、Bは通常の計算だった場合、費用欄だけをそろえても同条件の比較にはなりません。Aから後付けで手数料を引いても、省かれた証拠金管理まで再現したことにはならないためです。元の設定・レポートを残し、計算モードと単位を比較メモへ追記してください。
出典:MetaQuotes「Strategy Testing」(2026年10月11日確認)。
保存済みレポートから作る、比較メモ
- 比較対象のレポートを開き、EAの版・設定・銘柄・期間・初期資金・口座通貨を控えます。条件が違えば、先に違いを残します。
- 純利益とともに、BalanceとEquityそれぞれのMaximal・Relativeを、項目名と単位付きで転記します。
- 一方のレポートにEquityがなければ「0」ではなく「未取得」とします。決済一覧だけで保有中の最大の落ち込みが分かったことにはしません。
- 取引数量、費用、価格データやモデルの条件もそろっているか確認します。DDの小ささだけで採用順位を決めません。
比較メモ:EA/版/設定:__。期間:__。初期資金・通貨:__。計算モード・単位:__。純利益:__。Balance Maximal:__。Equity Maximal:__。Equity Relative:__。条件差・未取得:__。
利益を期待する判断へ、どうつなげる?
同じ条件で利益が大きくても、途中の落ち込みを引き受けられないなら、そのまま使う判断はできません。一方、DDが小さくても利益が残らなければ、収益を得たい目的は満たせません。利益と資金の落ち込みを並べ、未確認の費用や期間を埋めてから判断します。
過去の最大DDは将来損失の上限ではありません。
次は最高益の設定を、選んでいない期間で確かめる方法へ。見栄えのよい結果を選ぶ段階と、その設定を評価する段階を分けます。
出典:MetaQuotes「Testing Report」(2026年10月11日確認)。図・数値例・比較メモは当サイト作成。


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